タイトル
第39巻第6号目次 Japanese/English

─ 症例 ─

Occult Lung Cancer の局在診断の経験

良元 章浩, 辻 博, 高桜 英輔, 渡辺 俊雄, 笠原 寿郎**, 藤村 政樹**
黒部市民病院内科, 同 呼吸器外科, **金沢大学第3内科

喀痰細胞診陽性で,胸部X線およびCT無所見かつ気管支鏡無所見の4症例の局在診断の方法を検討した.右上,中,下葉,左上,下葉の各支に対して日を変えて気管支鏡検査を施行した.肺葉内の各区域支ごとにファイバー,ブラシを変更し,擦過細胞診及び気管支洗浄を施行した.2例で悪性所見が再確認され,局在診断ができた.1例は右B3の扁平上皮癌と診断された.他の1例は右B3ai末梢発生上皮内癌,扁平上皮癌と診断された.他の2例は,繰り返す気管支鏡検査でも病巣の同定に至らなかった.occult lung cancerの局在診断には可視範囲の緻密な観察のみならず各肺葉,各区域支ごとにファイバー,ブラシを交換し,擦過細胞診及び気管支洗浄を施行する必要があった.しかし,自検例ではこれらの方法でも4例中2例が局在診断に至らず今後の問題と考えられた.
索引用語:Bronchoscopy, Occult lung cancer, Sputum cytology, Brushing cytology

受付日:1999年5月11日
受理日:1999年8月24日

肺癌 39 (6):887─893,1999

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