タイトル
第39巻第7号目次 Japanese/English

─ 総説 ─

塩酸ゲムシタビン(Gemcitabine)の非小細胞肺癌に対する治療成績

横山 晶
新潟県立がんセンター新潟病院内科

新規抗癌剤である塩酸ゲムシタビンは核酸の誘導体でdeoxycytidineに拮抗してDNA合成を阻害する代謝拮抗剤である. 本剤の非小細胞肺癌に対する臨床試験は国内外で実施され,単独投与では20%以上の高い奏効率が得られた.また,主な毒性は骨髄抑制であり,非血液毒性は軽微で忍容性の高い薬剤であることが示された.更に,非小細胞肺癌に対する化学療法の中心的薬剤であるシスプラチンとの併用療法では更に良好な成績が得られた. 比較試験では,本剤は単剤で既存の代表的併用レジメンと同等の効果を有し,更にシスプラチンとの併用では既存の併用療法を上回ることが示された. 本剤は,他の非小細胞肺癌治療薬と異なる作用機序と高い忍容性を有する特徴から他剤との併用により更に有用な新しいレジメンの開発に用いられると考えられる. 今後,シスプラチンとの併用のみならず他の新薬との併用における本剤の有効性を検討することは意義が高いと考えられる.
索引用語:Gemcitabine, Non-small cell lung cancer, Chemotherapy, New drugs

受付日:1999年3月1日
受理日:1999年10月1日

肺癌 39 (7):943─953,1999

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