タイトル
第39巻第7号目次 Japanese/English

─ 原著 ─

肺癌患者における血清中soluble type Fas antigen(sFas)の臨床的意義の検討

許 順1,2, 小林 哲1
1獨協医科大学外科学(胸部)講座, 2中国医科大学附属第一病院胸部外科

[目的]原発性肺癌患者の血清sFas抗原を測定し,その臨床的意義を検討した.[方法]未治療原発性肺癌45例,扁平上皮癌(sq)22例,腺癌(ad)17例,小細胞癌(sm)6例を対象とし,健康成人15例をcontrolとした.静脈分離血清を得て,sandwich法で,sFasを測定した.[結果]健康controlに比べて,肺癌全体の血清sFasが有意に上昇していた.各組織別や各病期別においても,血清sFasが有意に上昇していた.また,IV期の血清sFasが他期に比べて,有意に上昇していた.[結論]肺癌患者では,血清sFasが健康対照に比べて有意に上昇し,また,その上昇が肺癌の担癌状態によく関わっていると考えられた.特に,IV期(転移状態)においてその上昇は著しかった.
索引用語:Lung cancer, Soluble Fas antigen (sFas), Apoptosis

受付日:1999年7月14日
受理日:1999年10月1日

肺癌 39 (7):969─974,1999

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