タイトル
第40巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

I期非小細胞肺癌におけるVEGFおよびp53蛋白発現の比較検討

尾高 真, 佐藤 修二, 増渕 正隆, 鈴木 英之, 平野 純, 朝倉 潤, 山下 誠, 三好 勲, 秋葉 直志, 山崎 洋次
東京慈恵会医科大学外科

原発性I期非小細胞肺癌切除例67例を対象としてVEGF蛋白およびp53蛋白の発現と予後との関連を免疫組織学的に検討した.VEGF蛋白は67例中20例(30%),p53蛋白は57例中26例(46%)が陽性であった.VEGF蛋白の陽性率は腺癌で有意に高かった(p=0.011).分化度,T因子,p因子別では有意差を認めなかった.再発はVEGF陽性例で有意に多く,特に遠隔転移症例が多かった(p=0.016).予後との関連はVEGF陽性例の生存期間中央値は52.2カ月で陰性例の78.5カ月に比べ有意に予後不良であった(p=0.0054).p53蛋白発現の有無と再発,生存率には関連を認めなかった.p53蛋白陽性例におけるVEGF蛋白陽性率はp53蛋白陰性例のそれに比べ高かったが,両蛋白発現の相関は認めなかった.I期非小細胞肺癌においてVEGF蛋白の発現は予後因子になり得ると思われた.
索引用語:VEGF, p53, Non small cell lung cancer

受付日:1999年5月25日
受理日:1999年11月1日

肺癌 40 (1):11─15,2000

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