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第40巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
肺癌患者における血清可溶性インターロイキン2受容体
多田 敦彦1, 河原 伸1, 佐藤 利雄2, 西井 研治31国立療養所南岡山病院内科, 2国立岡山病院呼吸器科, 3結核予防会岡山県支部
未治療の肺癌患者54症例を対象に血清可溶性インターロイキン2受容体（sIL-2R）を測定し，その臨床的意義について検討した． 肺癌患者の血清sIL-2Rの測定値は751±432 U/mlであり，37例（69％）が530 U/ml（健常人の平均値＋2S. D.）以上であった．血清sIL-2Rは病期III/IV期では病期I/II期に比して有意に高値であった．小細胞癌では同じ病期の非小細胞癌に比較して血清sIL-2Rは低値であった．血清sIL-2Rと血清アルブミンおよび血清choline esteraseとの間には有意な負の相関関係，血清sIL-2Rと血清CRPとの間には有意な正の相関関係が認められた．非小細胞癌においては血清sIL-2R高値（600 U/ml以上）のものは予後不良の傾向が認められた． 以上より，血清sIL-2Rは肺癌患者，特に非小細胞肺癌患者の腫瘍量の有用な指標であり，予後因子となりうる可能性が示唆された．
索引用語：Soluble interleukin-2 receptor, Lung cancer
受付日：1999年9月29日
受理日：1999年12月6日
肺癌 40 (1)：23─27，2000
