タイトル
第40巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌検診にて発見された転移性肺腫瘍の解析

中村 広繁1,2, 山家 武1, 中村 良文1, 森尾 哲1, 佐々木 孝夫1,3, 応儀 成二2
1鳥取県肺癌対策専門委員会, 2鳥取大学医学部第二外科, 3珪肺労災病院

過去11年間の鳥取県の肺癌検診にて発見された転移性肺腫瘍47例(発見率は人口10万比7.3人)を解析した.原発巣としては大腸癌が15例と最多で,続いて乳癌,甲状腺癌,腎癌が各5例と多く認められた.検診後にはじめて原発巣が判明した症例が13例(27.7%)存在した.予後は全体で3生率が22.8%,5生率が15.2%であった.単変量解析では手術症例,女性症例が有意に予後良好で,前年度検診の未受診者や単発症例も予後良好の傾向を認めた.Coxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析では予後良好の因子は手術症例と女性症例であった.検診発見された転移性肺腫瘍の原発巣は多臓器に及び,発見時に原発巣の不明例も多いが,手術症例と女性症例の予後は良好であった.
索引用語:Metastatic lung cancer, Mass screening, Multivariate analysis

受付日:1999年10月29日
受理日:1999年12月20日

肺癌 40 (1):29─32,2000

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