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第40巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
肺tumorletの3例―孤立性腫瘤影を呈した1例と原発性肺癌に合併した2例―
坂本 和裕1,3, 加瀬 昌弘1, 山形 達史1, 佐藤 秀之1, 渡辺 古志郎21横浜市立市民病院 胸部外科, 2同 呼吸器科, 3現 横浜労災病院呼吸器外科
肺tumorletの3例を経験した．1例（症例1）は孤立性腫瘤影を呈し，他の2例（症例2，3）は原発性肺癌に合併していた．症例1は61歳女性．左肺炎の際，撮影した胸部CTにて右肺下葉に径8 mmの腫瘤影を認め，胸腔鏡下腫瘤切除を行った．病理組織学的に腫瘍細胞は小胞巣を形成し，核の異型性に乏しく，Grimelius染色陽性の顆粒を有し，肺tumorletと診断した．症例2は73歳男性．左肺上葉大細胞癌にて左肺全摘を施行．病理組織学的に左肺下葉に2×1 mmのtumorletを認めた．症例3は76歳女性．肺腺癌にて右肺上葉切除を施行．病理組織学的に切除肺内に径2 mmのtumorletを認めた．肺tumorletは神経内分泌細胞の過形成性病変と考えられており，気管支拡張症や肺線維症などの剖検肺や外科切除肺の気管支壁周囲に偶然発見される比較的稀な微小病変である．孤立性陰影を呈するものや肺癌との合併の報告は非常に少ないため，文献的考察を加えて報告した．
索引用語：Pulmonary tumorlet, Lung cancer, Neuroendocrine cell, Solitary nodule
受付日：1999年11月22日
受理日：1999年12月15日
肺癌 40 (1)：51─55，2000
