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第40巻第1号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
対側肺への特異な転移形式を示した左肺原発腺扁平上皮癌の1例
田村 昌也1, 太田 安彦1, 小田 誠1, 渡辺 洋宇1, 湊 宏2, 野々村 昭孝21金沢大学第1外科, 2同 病理部
対側肺に腺癌と扁平上皮癌の各成分が独立して転移を来した，左肺原発腺扁平上皮癌の1例を経験したので報告する．症例は75歳男性．結腸癌術後経過観察中に胸部X-Pにて異常陰影を指摘された．胸部CTにて左S3に不整型陰影を，また右S10とS5に，いずれも境界明瞭な腫瘤影を認めた．大腸に再発所見なく，肺野病変以外に遠隔転移を示唆する所見はなかった．まず右側病変に対し，胸腔鏡補助下に部分切除術を施行した．S5およびS10の病変はそれぞれ腺癌および扁平上皮癌と診断され，組織学的に結腸癌の転移の可能性は否定された．二期的に左側病変に対して上葉切除術を施行した結果，腺扁平上皮癌であることが判明した．また，縦隔および肺門リンパ節に腺癌成分の転移を認めた．病理組織学的に，左側の腺扁平上皮癌より腺癌および扁平上皮癌成分が独立して右側肺へ転移を形成した可能性が考慮された．
索引用語：Adenosquamous carcinoma of the lung, Metastasis to the contralateral lung
受付日：1999年11月1日
受理日：2000年1月5日
肺癌 40 (1)：57─61，2000
