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第40巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
肺癌に対する胸腔鏡下二窓法手術の臨床的検討
岩崎 正之, 井上 宏司東海大学医学部外科学教室呼吸器外科
われわれは1993年1月に肺癌に対する胸腔鏡下二窓法手術を開発した．本法で必要な胸腔内へのアクセス数（皮膚切開数）は，肩甲骨下角を中心とした第4肋間に，右開胸時後方3 cm長，前方2 cm長，左開胸時前方3 cm長，後方2 cm長の皮膚小切開2カ所のみである．現時点では最も手術侵襲の少ない肺癌に対する胸腔鏡下手術法である．この手術法で，肺葉切除術と縦隔リンパ節郭清術を50例の術前及び術後病理診断IA期，T1N0M0の肺癌症例に施行し，同時期に施行した術前及び術後病理診断IA期，T1N0M0の標準開胸（後側方肋間開胸）例50症例と周術期の諸因子について比較検討した．胸腔鏡下二窓法手術では，平均手術時間は2時間35分，平均出血量45.6 ml，平均縦隔郭清リンパ節数28個であった．4年累積生存率は，標準開胸手術症例が78.7％，胸腔鏡下手術症例が94.6％であった．以上より胸腔鏡下二窓法手術はIA期肺癌症例に対する標準手術術式となり得ると言う結論を得た．
索引用語：Video-assisted thoracoscopic surgery (VATS), Lung cancer, Two windows method, Mediastinal lymphnodes dissection
受付日：1999年10月14日
受理日：2000年2月10日
肺癌 40 (2)：93─97，2000
