タイトル
第40巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

切除不能III期非小細胞肺癌に対するシスプラチン少量連日+ビンデシンと高線量放射線療法の同時併用の試み

中野 喜久雄1, 平本 雄彦1, 金原 正志1, 土井 美帆子1, 羽田 良洋2, 中村 憲二3
1国立呉病院呼吸器内科, 2同 放射線科, 3同 呼吸器外科

切除不能III期非小細胞肺癌に対して,シスプラチン少量連日+ビンデシンと高線量放射線療法との同時併用を施行し,安全性,長期成績を検討した.シスプラチン6 mg/m2をday1~5,day8~12,ビンデシン3 mg/m2をday1,day8に投与し2コース行い,1日2.0 Gyの通常分割でday1より70 Gy照射した.治療例は25例でIIIA期が5例で,IIIB期は20例,80%を占めた.好中球減少はGrade3以上が48%認めたが,治療中止には至らなかった.急性放射線食道炎はGrade3が2例,8%認めたが,晩期発症例はなかった.急性放射線肺炎はGrade3以上の症例はなかったが,Grade5の晩期例が1例発症した.治療効果はCR1例,PR17例で,奏効率72%であった.局所再発率は22%であり,3年生存率と5年生存率はいずれも27.2%であった.本治療は耐用可能で,良好な局所制御により長期生存が期待できる治療法と考えられた.
索引用語:Non small-cell lung cancer, Low-dose cisplatin, Concurrent chemotherapy, High-dose toracic irradiation

受付日:2000年1月20日
受理日:2000年3月6日

肺癌 40 (2):111─115,2000

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