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第40巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
2次元電気泳動法による肺癌蛋白解析結果に基づく原発性肺腺癌の生物学的悪性度評価
平野 隆1, 竹川 広三1, 日吉 利光1, 田口 史子1, 大平 達夫1, 池田 徳彦1, 河手 典彦1, 小中 千守1, 海老原 善郎2, 加藤 治文11東京医科大学第一外科, 2同 第二病理
原発性肺腺癌切除材料を用いた蛋白の2次元電気泳動像が腫瘍の生物学的悪性度の指標になるか検討した．1994年～1996年に切除された肺腺癌症例の内，2次元電気泳動法による蛋白の解析が可能であった70例を対象とした．各症例ごとに以前報告した原発性肺癌組織関連蛋白（腺癌関連蛋白TA01～05，扁平上皮癌関連蛋白TSq01～04，神経内分泌腫瘍関連蛋白TS01～04）および細胞増殖能関連蛋白（PCNA）を同一ゲル上で評価した．この結果に基づき典型的肺腺癌パターン症例（定型例）と非典型的肺腺癌パターン症例（非定型例）に分類した．70例中定型例は26例（37.1％），非定型例が44例（62.9％）であった．定型例では全症例，I期症例の3年間無再発率はそれぞれ69.2％，94.1％であり，非定型例の27.1％，46.7％に比較し有意に良好であった（p=0.0011，p= 0.0030）．2次元電気泳動像による評価は肺腺癌の生物学的悪性度を反映すると考えられた．
索引用語：Two-dimensional polyacrylamide gel electrophoresis, Primary lung adenocarcinoma, Disease free survival rate, Biological malignancy
受付日：2000年2月9日
受理日：2000年4月13日
肺癌 40 (3)：195─200，2000
