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第40巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
気腫性肺嚢胞壁に発生した胸壁浸潤肺癌の1切除例
石川 紀彦1, 橋爪 敏彦2, 石川 智啓1, 川瀬 裕志1, 澤 重治11横浜栄共済病院胸部心臓血管外科, 2同 内科
症例は63歳，男性．背部痛，血痰を認めたため当科を受診した．胸部CTでは右肺下葉S10に嚢胞壁の肥厚を伴う気腫性肺嚢胞を認め，それに接する第7，8肋骨は破壊されていた．胸部MRIでは第7，8肋骨を中心に腫瘤影を認め，T2強調像で高信号域であった．胸壁腫瘍を疑い経皮針生検，吸引細胞診を施行し，細胞診では陽性（非上皮性腫瘍）の診断を得た．経皮生検では大細胞癌と診断されたため右肺下葉切除術，第6，7，8肋骨を含む胸壁合併切除術，及びリンパ節郭清を施行した．病理組織学的には気腫性肺嚢胞壁に発生したT3N0M0，IIB期の末梢型扁平上皮癌であった．術後放射線療法を追加し，術後5カ月目の現在，再発の徴候は認めていない．
索引用語：Lung cancer, Emphysematous bulla, Chest wall invasion
受付日：1999年12月28日
受理日：2000年3月13日
肺癌 40 (3)：231─235，2000
