タイトル
第40巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

径20 mm以下の腺癌以外の肺野型肺癌―CT画像と病理所見の対比検討―

田中 学1, 山田 耕三1, 尾下 文浩1, 野村 郁男1, 野田 和正1, 中山 治彦2, 密田 亜希3, 亀田 陽一3, 山木戸 道郎4
神奈川県立がんセンター呼吸器内科1, 同 呼吸器外科2, 同 病理3, 広島大学第2内科, 現 呉共済病院4

近年,胸部CTを用いた肺癌検診の普及により,肺野末梢部の微小肺癌の切除例の報告が増えてきた.その組織型の多くは腺癌であり,切除される機会が少ない腺癌以外の組織型に関しての報告は少ない.そこで,腺癌以外の微小肺癌のCT画像での形態を解析し,同時期の腺癌を対照に病理所見との比較検討を行った.対象は径20 mm以下の肺野型の腺癌以外の組織型の肺癌28例である.内訳は扁平上皮癌13例,小細胞癌4例,腺扁平上皮癌2例,大細胞癌1例,カルチノイド8例であり,大きくカルチノイド以外の例とカルチノイド例に大別され,いずれもCT画像上は充実型を呈した.前者では,病変の形態,辺縁のノッチの数およびスリガラス状陰影の有無が腺癌との鑑別点であった.一方,後者では辺縁にケバ立ちがなく,スリガラス状陰影や胸膜陥入像を認めず,気管支の圧排所見を有することが腺癌との鑑別点であり,CT画像の個々の性状の解析が質的診断に寄与することが考えられた.
索引用語:Peripheral small lung carcinoma, High resolution computed tomography, Diagnosis, Solid density type

受付日:2000年5月10日
受理日:2000年7月7日

肺癌 40 (4):279─285,2000

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