タイトル
第40巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

肺原発血管肉腫の1切除例

木下 貴裕1,2, 前部屋 進自2, 加藤 元一1, 内藤 泰顯3
1国立療養所千石荘病院呼吸器科, 2公立那賀病院呼吸器外科, 3和歌山県立医科大学第一外科

症例は,82歳,男性.血痰と咳嗽を主訴に近医受診.胸部異常陰影を指摘され,当院を紹介された.胸部X線と胸部CTでは,右上葉S1に50×45 mm大の腫瘤を認めた.気管支鏡下生検で肺癌との診断を得たため,平成11年1月26日,右上葉切除+リンパ節廓清術を施行した.腫瘍は,60×50 mm大で,病理組織学的検査では,腫瘍は大小不同の異型細胞よりなり,著明な管腔形成を認めた.鍍銀染色とFactor VIII,CD34の免疫組織染色にて,肺血管肉腫との診断を得た.根治術を行うことができた症例であるが,術後6カ月目に多発性骨転移にて死亡した.本症例は,稀な疾患で,本邦報告例は,自験例を含めた11例であった.
索引用語:Pulmonary angiosarcoma, Lung cancer, Multiple bone metastases

受付日:1999年12月20日
受理日:2000年5月18日

肺癌 40 (4):297─300,2000

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