 |
第40巻第6号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (289K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
巨大な肺非定型カルチノイドの1例
須谷 顕尚1, 西 裕一1, 永田 真1, 倉光 薫1, 坂本 芳雄1, 清水 禎彦21埼玉医科大学呼吸器科, 2同 第二病理
症例は52歳女性．1998年8月，胸部単純エックス線写真上，右上葉に腫瘤影が認められ当院を紹介された．胸部造影エックス線CTでは右肺尖部に10×10 cmの辺縁不整腫瘤が存在し，上大静脈は高度に狭窄していた．経気管支擦過細胞診にて悪性細胞が検出されたが組織型の確定は困難であり，経皮的肺生検により非定型カルチノイドと診断し得た．放射線と化学療法の同時併用療法により腫瘍の縮小が認められ，その後右上葉切除術を施行したが，縦隔側胸膜に腫瘍細胞が残存していることが病理学的に判明した．術後6カ月の時点まで再発は認められず外来経過観察中である．
索引用語：Atypical carcinoid of the lung, Chemotherapy, Radiation therapy
受付日：2000年3月31日
受理日：2000年6月6日
肺癌 40 (6)：629─632，2000
