タイトル
第40巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌臨床試験でのインフォームドコンセントにおけるナースの役割に関する検討

井上 裕美子1, 神谷 詠子1, 立花 泉1, 山崎 悦子1, 安宅 信二2, 河原 正明2
1国立療養所近畿中央病院看護部, 2同 内科

肺癌臨床試験でのインフォームドコンセント(以下,IC)におけるナースの役割について検討した.進行肺癌に対する臨床試験対象患者30名に対し,ICにおける医師の説明内容の理解度をアンケートで調査し,理解不足箇所には看護婦による補足説明やパンフレットによる説明を行い,患者の理解度への影響を検討した.ナースの補助説明により,12項目のアンケート項目中,11項目で患者の理解度は改善し,治療の選択を自己又は家族と相談のうえ,自分で決めたとする回答が26/30名(86.7%)であり,自己決定の割合が多くを占めていた.また,意志決定の上でナースの補助が手助けになったとの回答は26/30名(86.7%)の患者に得られた.ナースは被験者のよりよい医療を受ける権利,人権の擁護などを保障するなどの,臨床試験のICをより円滑に行う上で,分かりやすい情報の提供とその実質的な理解にとって重要な役割を持つと考えられる.
索引用語:Informed consent, Clinical study, Nurse, Lung cancer

受付日:2000年4月13日
受理日:2000年8月8日

肺癌 40 (7):719─723,2000

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