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第40巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
原発性肺癌における先行肺疾患の臨床的検討
山崎 浩一, 岡本 佳裕, 原田 敏之, 若林 修, 大泉 聡史, 上村 明, 尾島 裕和, 小倉 滋明, 秋田 弘俊, 川上 義和北海道大学医学部第1内科
1983年より1998年までに当科に入院した原発性肺癌755例のうち，先行肺疾患それぞれの合併率と先行肺疾患合併肺癌の臨床的特徴を検討した．最も合併頻度が高かったのは肺結核で125例（16.6％），次いで肺気腫81例（10.7％），間質性肺炎30例（4.0％），気管支喘息14例（1.9％），珪肺11例（1.5％）の順であった．肺気腫は合併率が年々急激に増加したが，呼吸機能には変化はなかった．肺気腫，間質性肺炎，肺結核の合併は男性に多く（P<0.01），肺気腫と肺結核の合併は高齢者，重喫煙者に多く認められた（P<0.01）．肺気腫，間質性肺炎，珪肺合併例で，それぞれの非合併例と比較して扁平上皮癌の比率が高く，気管支喘息合併例では腺癌が多く認められたが，肺気腫合併例（P<0.01）を除き，統計学的有意差は無かった．間質性肺炎合併例ではStage IIIA以上の進行した症例が多く（P=0.015），化学療法単独と，支持療法を受けた症例が多かった．以上より，先行肺疾患合併原発性肺癌はそれぞれ特徴を持つことが確認され，今後の原発性肺癌の病因解明にも有用な情報となることが期待される．
索引用語：Primary lung cancer, Previous lung diseases, Lung tuberculosis, Emphysema, Interstitial pneumonitis
受付日：2000年4月7日
受理日：2000年8月17日
肺癌 40 (7)：731─736，2000
