タイトル
第40巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

進行期肺癌患者への予後告知―アンケートの結果からの検討―

三浦 剛史, 松本 常男, 田中 伸幸, 松永 尚文
山口大学医学部放射線医学講座

山口県内で肺癌診療に携わる69名の医師を対象として,進行期肺癌患者に対する癌告知に関してアンケート調査を行なった.回収率は64.2%で,約70%の医師が半数以上の患者に病名告知をするとしていたが,約半数の医師は10%以下の患者にしか予後告知をしていなかった.80%の医師は患者の半数以上が予後告知を受けることを希望していると予想し,72%の医師は自分が進行期肺癌であれば予後告知を希望するとの回答であった.これらの結果から山口県の進行期肺癌の診療における予後告知には,患者の希望は予測され,その意義も理解されているが,実行されていないという点に問題があることが明かとなった.この問題を解決するためには,症状緩和の徹底と医療者のコミュニケーション技術の向上が必要と考えられた.
索引用語:Advanced lung cancer, Prognosis, Truth telling, Questionnaire, Informed consent

受付日:2000年3月27日
受理日:2000年9月8日

肺癌 40 (7):737─741,2000

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