タイトル
第41巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

骨髄異形成症候群を合併した肺癌の1切除例

石橋 洋則, 赤松 秀樹, 砂盛 誠
東京医科歯科大学大学院心肺機能外科

症例は77歳,女性.検診で貧血を指摘され,精査で骨髄異形成症候群と診断された.その際,胸部異常陰影を指摘され,CTガイド下経皮針生検にて肺腺癌の診断を得た.術前WBC 2900/μl,Hb9.0 g/dlであったが他に合併症はなく,2000年4月に手術を施行した.術中出血は100 mlで輸血は不要,さらに術後感染症の合併はなかった.腫瘍径17×14 mmの中分化型肺腺癌で腫瘍近くに径2 mmの同一肺葉内腫瘍結節を認め(T4),リンパ節は#3へ転移があり(N2),IIIB期と診断されたが,骨髄異形成症候群を合併した高齢のため,化学療法などの追加治療を施行せず,現在外来通院中である.一次性骨髄異形成症候群に原発性肺癌を合併したいわゆる重複癌と考えられる症例報告は少なく,さらに手術例は検索した限りでは4例のみであり若干の文献的考察を加えて報告した.
索引用語:Myelodysplastic Syndrome, Lung cancer

受付日:2000年9月27日
受理日:2000年12月6日

肺癌 41 (1):79─82,2001

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