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第41巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
マクロCK血症を合併したCK産生性肺腺癌の1切除例
田村 光信1, 廣島 健三2, 池田 康紀1, 長井 千輔1, 嶋田 晃一郎11獨協医科大学胸部外科, 2千葉大学肺癌研究施設病理
56歳男性で検診にて胸部異常陰影を指摘され近医受診．気管支鏡検査で右S10原発の肺扁平上皮癌と診断され当院に紹介入院となった．入院時に分画異常のない高クレアチンキナーゼ（CK）血症とCK結合免疫グロブリン（type IgA-λ）を認めた．皮膚筋炎や多発性筋炎などの筋疾患を精査したが除外診断された．これらの事実より肺癌由来の高CK血症と考えられた．臨床病期IIIBと診断され，カルボプラチンとエトポシドによる導入化学療法施行後，右下葉の拡大区域切除術を施行した．病理組織学的には，扁平上皮癌を伴った中分化乳頭型腺癌であった．免疫染色で腺癌細胞にCK-MMとCK-BBの局在が証明され，腫瘍から産生されたCKがCK結合性免疫グロブリンと結合してマクロCK血症をもたらしたという可能性が強く示唆された．本例はCK-MMも腫瘍で産生されることを示している．導入化学療法および腫瘍切除により血中CK値は一時低下したが，腫瘍の再発転移とともに再び上昇し，患者は術後9カ月でDICを併発し死亡した．
索引用語：Lung cancer, Creatine kinase, Macro-creatine kinase, Creatine kinase-immunoglobulin complexes
受付日：2000年11月14日
受理日：2001年1月25日
肺癌 41 (2)：151─156，2001
