第41巻第3号目次 | Japanese/English |
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─ 原著 ─
肺癌化学療法に伴う吃逆の副作用に関する検討
寺本 晃治*, 桑原 正喜, 松原 義人京都桂病院呼吸器センター, *現 滋賀医科大学第二外科
肺癌化学療法において副腎皮質ステロイドと5-HT3受容体拮抗薬による予防的制吐療法を行なった際の吃逆について検討した.1999年1月から12月の1年間に当科で原発性肺癌に対して全身化学療法を施行した84症例,181コースを対象とし,吃逆の発症状況を診療録,看護記録を元にretrospectiveに検討した.総投与コース181コースの内訳はシスプラチン(CDDP)ベースが146コース,カルボプラチン(CBDCA)ベースが32コース,その他が3コースであった.この内,吃逆を認めたものは23症例,37コース,全例男性で平均年齢は58.4歳であった.発症時期は化学療法当日から3日後,持続期間は1日から5日であった.コース別の頻度はCDDPベースが20.5%,CBDCAベースが21.9%で両者に差を認めなかった(n.s.).吃逆の発症原因について文献的考察を加えた結果,抗腫瘍薬,副腎皮質ステロイド,5-HT3受容体拮抗薬の相互作用が示唆された.
索引用語:Hiccup, Chemotherapy, Steroids, 5-HT3 receptor antagonist, Anti-cancer drugs
受付日:2001年1月17日
受理日:2001年3月7日
肺癌 41 (3):191─194,2001