タイトル
第41巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌に合併した胸腔外悪性腫瘍の検出に対する全身FDG-PETの有用性

出村 芳樹1, 藤田 匡邦1, 水野 史朗1, 若林 聖伸1, 戸谷 嘉孝1, 飴島 慎吾1, 宮森 勇1, 石崎 武志2, 佐々木 正人3, 米倉 義晴4
1福井医科大学第三内科, 2同 看護部, 3同 第二外科, 4同 高エネルギー医学研究センター

胸部異常陰影精査目的に施行した全身FDG-PETの他臓器悪性腫瘍診断に対する有用性について検討した.1997年から2000年7月までに肺癌を疑われ,全身FDG-PETを施行した79例中,他臓器悪性腫瘍を確認されたものは8例(約10%)存在した.8例の内訳は,胃癌1例,大腸癌2例,甲状腺癌2例,喉頭癌1例,膵癌1例,脾原発悪性リンパ腫1例であった.FDG-PETは全例において病変を検出し,発見動機となった.全例に通常の肺癌病期診断のための検査が行われたが,他臓器病変は指摘されなかった.全身FDG-PETによる胸部異常陰影精査は,通常見逃されやすい消化管や頭頸部の病変も鋭敏に検出し,総合的な診断能の向上と治療方針の決定に役立つものと考えられた.
索引用語:Lung cancer, Extrathoracic malignancy, FDG-PET

受付日:2001年1月29日
受理日:2001年3月19日

肺癌 41 (3):201─205,2001

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