タイトル
第41巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

画像上充実型を呈した肺野微小病変の良悪性の鑑別に関する検討―造影CT値と病理所見の対比―

池原 瑞樹1, 山田 耕三1, 斉藤 春洋1, 尾下 文浩1, 野田 和正1, 荒井 宏雅1, 伊藤 宏之1, 中山 治彦1, 密田 亜希2, 亀田 陽一2
1神奈川県立がんセンター呼吸器科, 2同 病理診断科

造影CT画像と単純CT画像におけるCT値の差によって,肺野微小病変の質的診断を試みた報告はある.しかし造影thin-section CT(以下造影TS-CTと略す)画像のみでのCT値の解析でその質的診断を試みた報告は少ない.今回,CT画像上充実型を呈する肺野末梢微小病変を対象として,CT画像による質的診断を目的に造影TS-CT画像におけるCT値の解析を行った.対象は,最近3年間に当施設で切除された20 mm以下の肺野微小病変47例である.組織型は原発性肺癌が23例,転移性肺腫瘍が6例であり,非癌性病変は18例であった.CT画像は造影剤35 mlを経静脈的に0.8 ml/秒の速度で注入を開始し,その50秒後の画像である.CT値は病変内に真円に最も近い最小のROIを作成し,病変の中心部と大動脈中心部の平均CT値を測定した.結果は,原発性肺癌では非癌性病変に比べて“病変部のmean CT値”および“病変部のmean CT値と大動脈のmean CT値の比”のいずれも高値を示し,有意差を認めた.以上より,造影TS-CT画像でのCT値の計測は,充実型を呈する肺野微小病変の質的診断に寄与する可能性が示唆された.
索引用語:Thin-section CT, Solid density tumor, Small pulmonary nodule, CT number

受付日:2001年3月6日
受理日:2001年5月10日

肺癌 41 (3):231─236,2001

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