 |
第41巻第3号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (412K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
肺性肥大性骨関節症（Pulmonary Hypertrophic Osteoarthropathy：PHO）を伴った肺癌の1切除例
元石 充, 井上 修平＊, 藤野 昇三, 紺谷 桂一, 澤井 聡, 手塚 則明滋賀医科大学第2外科, ＊国立滋賀病院呼吸器外科
症例は75歳男性．両下腿の浮腫・疼痛，両膝・足関節痛を主訴に近医を受診し，関節炎と診断され治療を受けるも軽快せず，当院整形外科紹介となった．そこで胸部単純X線写真において異常陰影を指摘され当科紹介となった．来院時，両手にバチ状指を認めた．胸部CT検査，各種ホルモン値測定，気管支鏡検査，骨シンチ検査により肺性肥大性骨関節症を合併した原発性肺癌と診断し手術を施行した．術後，速やかに浮腫・疼痛が消失するとともに，各種ホルモン値の低下が認められ，骨シンチにおける取り込みも改善した． 本症例において肺性肥大性骨関節症の診断および術後経過の評価には骨シンチ検査と各種ホルモン値の経時的測定は有用であり，また肺性肥大性骨関節症の成因としてホルモン説を支持するものであった．
索引用語：Lung cancer, Pulmonary hypertrophic osteoarthropathy (PHO), Bone scintigraphy, Clubbed finger, Hormone
受付日：2001年3月2日
受理日：2001年4月16日
肺癌 41 (3)：253─257，2001
