タイトル
第41巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

宮城県における肺がん集団検診の死亡リスク減少効果:2つの症例対照研究を比較して

佐川 元保1,2, 斎藤 泰紀3, 佐藤 雅美2, 高橋 里美4, 薄田 勝男5, 桜田 晃2, 遠藤 千顕2, 高橋 博人4, 近藤 丘2, 佐久間勉1
1金沢医科大学呼吸器外科, 2東北大学加齢医学研究所呼吸器再建研究分野, 3国立仙台病院呼吸器外科, 4仙台厚生病院外科, 5富山医科薬科大学光学診療部

1980年代と1990年代の2つの症例対照研究を較べることによって,それぞれの時代の肺癌集検の死亡リスク減少効果を比較検討した.前期は62セット,後期は328セットで解析を行ない,喫煙訂正オッズ比はそれぞれ0.55,0.54であった.後期の対象の一部を前期のそれに類似させるとオッズ比は0.27~0.46とやや低下した.これにはSelf-selection biasと診断治療水準の向上が関与している可能性が示唆された.また,検討した2つの研究はいずれも良好なオッズ比を示したことから,Self-selection biasがどちらの方向に影響しようが,肺がん集検を受診することにより肺がんの死亡リスクは減少すると考えられた.
索引用語:Mass screening, Early detection, Case-control study, Bias, Miyagi Program

受付日:2001年5月2日
受理日:2001年6月6日

肺癌 41 (4):299─303,2001

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