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第41巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
早期再発し小腸転移穿孔を来した末梢小型肺扁平上皮癌の1切除例
土田 知史1＊, 坂本 和裕1, 山形 達史1, 森川 哲行2, 武内 浩一郎2, 河村 俊治31横浜労災病院呼吸器外科, 2同 呼吸器科, 3同 病理部, ＊現 足柄上病院外科
症例は67歳男性．健診で胸部Xp異常影を指摘され当院受診．胸部CT上，右肺上葉に18×15 mmの腫瘍を認め，気管支鏡下生検で扁平上皮癌の診断（cT1 N0 M0 stage IA）で右肺上葉切除および縦隔リンパ節郭清（ND2b）を施行．病理診断では低分化扁平上皮癌，pt1n0 p1pm0であった．軽快退院後外来で経過観察中，術後7カ月目に気管支断端・右肺S6に再発をきたし化学療法・放射線療法を施行した．術後1年2カ月目に小腸転移による消化管穿孔を発症し緊急手術を施行したが，術後より意識レベルが低下し死亡した．末梢発生の小型肺扁平上皮癌は比較的予後が良好で，肺門・縦隔リンパ節転移がない場合にはさらに予後は良好とされ，最近では縮小手術が推奨されつつある．しかし，本症例は標準術式を施行したにもかかわらず早期に再発をきたし，小腸転移という比較的稀な転移形態をとり死亡したことから貴重な1例と考え報告した．
索引用語：Squamous cell carcinoma, Peripheral small lung cancer, Recurrence, Intestinal Metastasis, Perforation
受付日：2000年11月10日
受理日：2001年6月11日
肺癌 41 (4)：337─341，2001
