タイトル
第41巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

胸腺腫に肺癌を合併し,同時に治療しえた1例

長濱 博行1, 西島 浩雄1, 副島 賢忠2, 四元 克彦2, 寒川 卓哉2, 有馬 暉勝2
1鹿児島厚生連病院呼吸器科, 2鹿児島大学第二内科

症例は72歳,男性.胸痛自覚し当科を受診した.胸部X線,CTにて前縦隔腫瘍とそれに接した左上区に結節影を認めた.画像所見からは,術前に胸腺腫と原発性肺癌(腺癌)と考えられ,手術を施行した.術中迅速にて結節影は肺癌との診断となり,拡大胸腺摘出術と左上区切除術を施行した.胸腺腫は正岡分類で臨床病期I期であり,紡錘細胞型,リンパ球優位型であった.肺癌は16×12×10 mmの腺癌で,pT1 N0 M0 stage IAであった.肺癌が増えている現状では今後本症例のように胸腺腫と肺癌が同時に発見されることが増えると予想された.また胸腺腫では長期経過観察で胸腺外悪性腫瘍の合併が有意に多いとされており,肺癌を含め,他臓器の悪性腫瘍合併について充分注意すべきと考えられた.
索引用語:Thymoma, Lung cancer

受付日:2001年2月22日
受理日:2001年6月11日

肺癌 41 (4):343─346,2001

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