タイトル
第41巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

HRCT上すりガラス濃度を呈する2 cm以下の良性肺病変の検討

西窪 美喜1,5, 栗山 啓子1, 有澤 淳1, 黒田 知純1, 真能 正幸2, 児玉 憲3, 鍔本 美津子4
1大阪府立成人病センター放射線診断科, 2同 病理検査科, 3同 第2外科, 4大阪大学大学院医学系研究科D1生体情報医学講座, 5現 市立豊中病院放射線科

HRCT上すりガラス濃度(ground-glass opacity:GGO)を呈する限局性肺病変は,組織学的に腫瘍が肺胞上皮置換性に進展する小型肺腺癌の可能性が高く,早期診断に有用である.1990年3月から1999年12月に当センターにて1カ月以上の経過観察後に縮小傾向がないために外科切除された2 cm以下の限局性肺病変232病変中,術前のHRCT(スキャン厚:2 mm)で視覚評価により病変の大部分(80%以上)がGGOを呈する49病変を組織学的に検討した.47病変(96%)が小型肺腺癌であり,Noguchi分類type Aが22病変,type Bが20病変,type Cが5病変で,他の組織型の肺癌は認めなかった.残り2病変(4%)が良性病変で,pulmonary lymphoproliferative disorderとsarcoidosisであった.HRCTにてGGOを呈する2 cm以下の限局性肺病変のほとんどは予後がきわめて良好とされるNoguchi分類type A-Bの小型肺腺癌であり,type Cの肺腺癌や稀ではあるが良性病変も認められる.
索引用語:High-resolution computed tomography, Ground-glass opacity, Lung neoplasm, Pulmonary lymphoproliferative disorder, Sarcoidosis

受付日:2001年2月28日
受理日:2001年10月9日

肺癌 41 (7):749─753,2001

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