タイトル
第41巻第7号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

胸壁より発生した悪性顆粒細胞腫の1例

山田 勝康1, 鈴木 雅之2, 秋田 裕子2, 小笠原 智彦2, 都築 豊徳3, 佐藤 滋樹4
1遠州総合病院内科, 2名古屋第二赤十字病院 呼吸器内科, 3同 病理部, 4名古屋市立大学第2内科

症例は61歳女性.主訴は右胸部痛.胸部単純X線写真で右肺尖部に腫瘤影を認めた.針生検組織で顆粒の豊富な大型細胞の集簇を認めた.腫瘤影の増大と胸痛の増悪を認めたため臨床的に悪性顆粒細胞腫と診断した.放射線治療を行ったが腫瘍縮小せず,治療開始9カ月後に呼吸不全で死亡された.剖検では右上縦隔後部に原発巣を認め,肺内に多発性の転移を認めた.組織学的には原発巣,転移巣ともに大型細胞と核異形を伴う紡錘細胞を認め,核分裂像と壊死像も見られた.免疫組織化学的にはS-100蛋白とvimentinが陽性に染色され最終的に悪性顆粒細胞腫と診断した.悪性顆粒細胞腫は報告が少なく,極めて稀であると考えられた.
索引用語:Malignant granular cell tumor, S-100 protein, Chest wall

受付日:2001年7月30日
受理日:2001年10月11日

肺癌 41 (7):779─782,2001

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