 |
第41巻第7号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (168K) Article in Japanese |
─ 症例 ─
小腸転移を認めた肺大細胞癌の2例
高田 一郎1, 畝川 芳彦1, 田端 雅弘2, 木浦 勝行2, 上岡 博2, 江口 研二11国立病院四国がんセンター内科, 2岡山大学第2内科
症例1は72歳の男性．肺大細胞癌の術後経過中に腹部膨満感と貧血が出現し，腹部CTにて小腸の腫瘤を発見された．開腹術にて空腸に3個の腫瘤を認め，病理組織より肺大細胞癌の転移と診断された．術後化学療法を行い，約3年間生存した．症例2は51歳の男性．肺大細胞癌の術後に脳転移にて再発し，全脳照射施行後の化学療法中に急性腹症を呈し，開腹術にて空腸に穿孔を認め同部の病理組織より肺大細胞癌の転移と診断された．脳転移の悪化にて32日目に死亡した．肺大細胞癌の小腸転移が生前に診断されることは稀であり，これまで予後は極めて不良と考えられていたが，症例1のように，重篤な症状を呈する前に診断し，適切な治療を行うことにより，予後を改善しうる可能性が示唆された．
索引用語：Small bowel metastasis, Lung cancer, Large cell carcinoma, Perforation
受付日：2001年8月13日
受理日：2001年10月24日
肺癌 41 (7)：783─785，2001
