タイトル
第42巻第1号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺門部肺癌局在診断における高分解能CTの有用性の検討

南 優子1, 石川 成美2, 斎田 幸久3, 梶谷 元改3, 野口 雅之4, 山本 達生2, 佐藤 幸夫2, 鬼塚 正孝2, 榊原 謙2
筑波大学 1大学院医学研究科, 2臨床医学系外科, 3臨床医学系放射線科, 4基礎医学系病理

目的.胸部単純X線写真無所見肺門部肺癌の局在診断における高分解能CT(以下HRCT)の有用性を検討することを目的とした.方法.気管支鏡検査に先行して肺門部のHRCTを施行し読影した.気管支病変の診断は白色光及び蛍光気管支鏡で観察し,最終診断は内視鏡所見及び生検によった.対象.胸部単純X線写真上所見を認めず,喀痰細胞診あるいは血痰から肺門部肺癌が疑われる19症例を対象とした.結果.19例中8例で肺門部扁平上皮肺癌が証明され,11例は非悪性症例であった.HRCTで19例中13例に19部位の肺門部気管支に異常所見を認めた.このうち9部位が気管支鏡でも有所見であった.悪性病変は全部で8病変であり,CTで描出できなかったのは1病変のみでそれは上皮内癌であった.気管支鏡での有所見は全部で20部位であったが,上記の上皮内癌を含む4部位(20%)がCTで捉えられなかった.結論.胸部X線写真無所見肺門部肺癌の局在診断において,HRCTで気管支鏡有所見部位の80%を捉えることができた.癌と診断された8病変中7病変(87.5%)を指摘することが可能であった.有用な補助診断法の1つとなり得ると考えられた.
索引用語:肺門部早期肺癌, 高分解能CT, 局在診断, 胸部X線無所見肺癌

受付日:2001年10月18日
受理日:2001年12月5日

肺癌 42 (1):1─6,2002

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