タイトル
第42巻第2号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌患者への病名告知に関する検討―術後の患者・家族を対象としたアンケート結果―

松本 英彦1, 小川 洋樹1, 豊山 博信1, 柳 正和1, 西島 浩雄1, 愛甲 孝1
1鹿児島大学第一外科

目的・方法.術前あるいは術後に病名を告知されている肺癌術後の患者・家族それぞれ67名を対象にアンケート調査を行った.結果.患者の4割が進行度に関係なく再発が不安と回答した.さらに患者にとっては生きがい・心のよりどころ・気がかりなのも家族であった.また患者の半数は告知を受けたショックから1週間以内に立ち直っており,患者・家族の8割以上が今回の患者への告知を肯定していた.一方,一般的な質問として早期癌患者に対する告知については患者・家族の8割以上が肯定していたが,進行癌患者に対してはともに6割以上が慎重であった.さらに患者は告知を希望するが家族が患者本人への告知を希望しない場合には半数以上が,患者も家族も告知を希望しない場合は7割以上が告知に対して慎重であった.結論.今後は,我々医療従事者は患者各々の心理状態や家族関係も念頭に置いた告知の方法を身につけておく必要があると考えられた.
索引用語:術後の患者と家族, 肺癌の告知, アンケート調査

受付日:2001年9月6日
受理日:2001年11月29日

肺癌 42 (2):77─84,2002

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