 |
第42巻第2号目次 | Japanese/English |
 | Full Text of PDF (108K) Article in Japanese |
─ 原著 ─
肺腺癌術後再発症例に対するDocetaxel（TXT），Carboplatin（CBDCA）併用化学療法の早期II相試験
郡 隆之1, 羽田 圓城1, 坂口 浩三1, 池田 晋悟1, 川野 亮二1, 柳田 正志1, 久米 基彦1, 守屋 康充11三井記念病院呼吸器センター外科
目的．肺腺癌術後再発例に対するDocetaxel，Carboplatin併用化学療法の早期II相試験を実施し効果と安全性を検討した．方法．70歳以下，PS 0～2を対象にDocetaxel（60 mg/m2），Carboplatin（5 area under the concentration-time curve）を3週間隔で2コース投与後効果判定を行い，PD以外は2ヶ月間隔で治療を継続した．結果．Fleming法による中間解析で有効と判定し，15例で試験を早期終了した．総投与数66回，中央値4回（range 2～9），観察期間は10.6～23.1ヶ月（中央値20.3ヶ月）．CR；1例，PR；3例，NC；9例，PD；2例で，全奏効率は26.7％（95％ CI：4.2～49.0％）であった．効果発現までの期間は中央値4週（3.6～8週），全奏効期間は中央値43.6週（9.4～68.7週）．Grade3以上の主な副作用は貧血2例（13.3％），白血球減少7例（46.7％），好中球減少10例（66.7％），血小板減少2例（13.3％）で，治療関連死を1例（6.7％）認めた．化学療法後の1年生存率は51.9％（95％ CI：25.9～77.8％），生存期間中央値は19.8ヶ月であった．結論．本療法は安全に実施可能で，抗腫瘍効果の得られる可能性が示唆された．
索引用語：化学療法, 再発肺癌, ドセタキセル, カルボプラチン, 腺癌
受付日：2001年7月23日
受理日：2002年1月25日
肺癌 42 (2)：85─91，2002
