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第42巻第2号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
肺小細胞癌長期生存患者に発症した多重二次癌の1例
石橋 陽子1, 得地 令郎1, 蒲池 匡文1, 原田 真雄1, 磯部 宏11国立札幌病院呼吸器科
背景．近年，集学的治療により肺小細胞癌においても長期生存例が増加している一方で，二次癌の報告が見られるようになり問題となっている．症例．症例は71歳男性．平成3年に肺小細胞癌（cT2N2M0，stage IIIA）を発症し化学療法と胸部照射の同時併用によりPRを得たが，平成5年に原発巣の局所再発を認め，化学療法後に右上葉切除を施行した．pT1N0M0であり以後再発や転移を認めなかった．その後，平成9年に膀胱癌を発症した．経尿道的膀胱腫瘍切除術と放射線治療及び化学療法を受け，以後，膀胱外再発を認めなかった．平成11年8月末頃より右頸部腫瘤が出現し急速に増大した．生検の結果は悪性リンパ腫（diffuse large B cell type）であった．またCEAの高値を契機として，進行S状結腸癌が発見された．結論．肺小細胞癌の集学的治療及び二次癌を考える上で示唆に富む症例と思われ，若干の文献的考察を加え報告する．
索引用語：肺小細胞癌, 二次癌, 膀胱癌, 非Hodgkinリンパ腫, 大腸癌
受付日：2001年10月3日
受理日：2002年2月4日
肺癌 42 (2)：129─133，2002
