タイトル
第42巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

FDG-PETが局在診断に有用であった再発肺癌の1例

高野 浩昌1, 飯田 智彦1, 阿部 能明2
1国保松戸市立病院呼吸器外科, 2北里大学胸部外科

背景.近年,悪性腫瘍の診断において,FDG-PETの有用性に関する報告が多数みられるようになっている.我々は,原発性肺癌術後の再発例にFDG-PETを施行した症例を経験したので報告する.症例.65歳,女性.2000年2月,右原発性肺癌にて右上葉切除術を施行し,同年9月,早期胃癌にて手術を行った.2001年5月頃より,腫瘍マーカーの上昇が明らかとなり,当科を受診した.胸部CTでは,右胸腔内に椎体に接して三日月状の陰影が存在していたが積極的に悪性病変を示唆する所見に乏しく,また,腹部CT,腹部超音波検査,頭部MRI,骨シンチグラム,上部消化管内視鏡などの検査を行ったが明らかな異常所見は認められなかった.そこでFDG-PETを施行すると,右心房背側に強い集積を認め,胸部CTで認められた陰影が存在する部位と一致していた.以上より,この陰影が再発病巣と判断し,手術を施行した.病巣は肺内に存在し,病理組織所見は,2000年2月に切除された右上葉原発の肺癌の組織像と類似しており,肺癌の再発と診断された.結論.原発性肺癌術後の再発に対して,その局在診断にFDG-PETがきわめて有用であった.
索引用語:FDG-PET, 肺癌, 再発

受付日:2002年2月13日
受理日:2002年3月4日

肺癌 42 (3):187─190,2002

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