タイトル
第42巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

CT透視下肺生検の有用性の検討―その検査成績と合併症について―

雑賀 良典1,2, 小倉 康晴1, 土井 健司1,2, 三崎 敏正1, 清水 雅史1,3, 楢林 勇1
1大阪医科大学放射線科, 2現 京阪奈病院放射線科, 3現 大阪警察病院放射線科

目的.1999年3月から2001年2月までに大阪医科大学付属病院放射線科にてCT透視下肺生検を施行した64例66病変について,検査成績,合併症について検討した.方法.従来のCT下肺生検の手順に加えて,生検針の先端の位置確認,命中の確認等はCT透視にて行い,一部の症例においては穿刺も透視下にて施行した.結果.全66病変中悪性所見が36病変,良性所見が30病変で認められ,sensitivity 85.7%,specificity 100.0%,accuracy 90.9%であった.気胸の発生は64例中20例(31.3%)で認められた.病変の最大径2 cm以下の微小病変25例26病変についての検討では,sensitivity 81.8%,specificity 100.0%,accuracy 92.3%であった.気胸の発生は25例中12例(48.0%)で認められた.偽陰性6例についての検討では,肺内病変で,腫瘍径が小さく,皮膚面から病変までの距離が離れているものが多い傾向があった.結論.検査成績としては,特に微小病変の正診率において満足のいく結果が得られた.しかし,病変の最大径2 cm以下の微小病変の場合,合併症として気胸の発生率が48%と高かった.
索引用語:CT下肺生検, CT透視法, 肺癌, 気胸

受付日:2002年3月14日
受理日:2002年5月30日

肺癌 42 (4):255─259,2002

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