タイトル
第42巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

4年間にわたりCTで経過観察された遅延発育型小型肺腺癌の1例

安田 冬彦1, 高尾 仁二2, 村嶋 秀市3, 矢田 公2, 湯浅 浩1
1永井病院胸部外科, 三重大学医学部, 2胸部外科教室, 3放射線科

背景.近年高分解能CTの普及やCT検診の実施に伴い,肺野末梢部に発生する小型肺腺癌の発見が増加している.近年,これら小型肺腺癌では画像所見と病理所見を対比した多段階発育過程も提唱されている.しかし,長期にわたり小型肺腺癌をCTにより追跡した報告例は少なく,その自然経過は不明である.症例.今回我々は肺野末梢性小型病変に対し,肺癌と疑いつつ,明らかな増大傾向がなかったために,CT画像で4年間にわたり経過観察され,その後CTガイド下生検にて確定診断を得た遅延発育型肺腺癌の1手術例を経験したので報告する.結論.肺腺癌とは異なる特性を示した粘液非産生型BAC(bronchioloalveolar carcinoma)の貴重な症例のCT所見を追跡検討を行った.
索引用語:末梢性小型肺癌, 肺腺癌, CT, 遅延発育型

受付日:2001年12月12日
受理日:2002年4月15日

肺癌 42 (4):273─276,2002

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