第42巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
著明な肺外発育を認めたBiphasic Pulmonary Blastomaの1剖検例―本邦報告40例の文献的考察―
菊地 英毅1, 小倉 滋明1, 山本 宏司1, 高田 明生2市立札幌病院 1呼吸器科, 2病理科
背景.biphasic pulmonary blastomaはまれな肺腫瘍である.症例.68歳,男性.肺気腫にて外来通院中であった.平成13年5月に発熱,呼吸困難のために当科を受診し,胸部X線写真で左肺門部に巨大腫瘍を認めたために入院となった.胸部CTでは左前縦隔から左上肺野にかけて直径10 cm大の境界明瞭な腫瘍陰影および左肺炎像を認めた.腫瘍マーカーではCEA,NSE,AFPの軽度上昇を認め,経皮的針生検では未分化癌の診断であった.腫瘍の急速な増大および肺炎の悪化により入院第23日目に死亡した.剖検では肺内に3×2×2 cm,肺外に17×10×10 cmの連続する腫瘍を形成しており,組織学的にはbiphasic pulmonary blastomaと診断された.結論.本症例を含めて本邦では40例のbiphasic pulmonary blastomaが報告されている.
索引用語:二相性肺芽腫, 肺気腫, 剖検
受付日:2002年3月25日
受理日:2002年5月7日
肺癌 42 (4):277─281,2002