タイトル
第42巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

末梢肺野に発生した孤立性乳頭腫の1例

荒能 義彦1, 富田 剛治1
1富山県済生会高岡病院外科

胸部外科領域における孤立性乳頭腫は,ほとんどが中枢気管支発生例で,末梢肺野発生例は非常に稀で,術前診断は困難である.症例.症例は34歳,男性.主訴は左胸部異常陰影.糖尿病精査時の胸部X線写真で左下肺野に腫瘤陰影を指摘された.CTでは,左S10の胸膜直下に胸膜陥入像を伴う1.5×1.0 cm大の腫瘤を認めた.気管支鏡検査,CTガイド下肺生検では診断がつかず,開胸生検を施行した.術中迅速組織病理で腺扁平上皮癌と診断され,左下葉切除とリンパ節郭清を行った.病理組織所見から,混合型乳頭腫との確定診断を得た.結論.末梢肺野発生の孤立性乳頭腫の診断・治療には積極的に手術による切除を行うべきと考えられた.
索引用語:孤立性乳頭腫, 混合型乳頭腫, 外科的切除

受付日:2002年3月18日
受理日:2002年6月6日

肺癌 42 (4):289─292,2002

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