第42巻第4号目次 | Japanese/English |
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─ 症例 ─
長期生存している横隔膜浸潤肺大細胞癌の1例
星 永進1, 青山 克彦1, 村井 克己1, 池谷 朋彦1, 金沢 実2, 河端 美則3埼玉県立循環器・呼吸器病センター, 1呼吸器外科, 2呼吸器内科, 3検査部病理
背景.横隔膜に浸潤した肺癌の治療成績は,一般に不良である.我々は,長期生存している横隔膜に浸潤した肺大細胞癌症例を経験したので報告する.症例.症例は61歳の男性で血痰を主訴として来院した.胸部単純写真では左下肺野に心陰影と重なり径5 cm大の腫瘤影を認めた.胸部CTと胸部MRIでは横隔膜への直接浸潤像を認めた.気管支鏡下の生検で悪性細胞を確認し,左下葉切除術,横隔膜・脾臓合併切除術,ND2aリンパ節郭清術を施行した.術後病理診断は大細胞癌で,リンパ節転移を認めず,pT3N0M0であった.術後5年目に第2癌(腺癌)に対して右肺下葉部分切除術を施行した.結論.初回手術から6年6ヶ月経過した現在,再発の所見なく元気に社会生活を送っており,横隔膜合併切除術が有用であった.
索引用語:肺大細胞癌, 横隔膜浸潤
受付日:2002年4月25日
受理日:2002年7月10日
肺癌 42 (4):305─308,2002