タイトル
第42巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

葉間P(p)3はT(t)3かT(t)2か?

森田 理一郎1, 金子 公一1, 中村 聡美1, 赤石 亨1, 山崎 庸弘1
1埼玉医科大学呼吸器外科

目的.葉間P(p)3はT(t)3かT(t)2かを手術成績から検討した.方法.1984年~1999年に当科で切除した原発性肺癌402例のうち,非小細胞癌で他の要因によりt3,t4,IV期となった症例を除いた葉間p3の17例を対象とし,t3の32例,t2の152例と比較した.結果.葉間p3の5生率は38.5%であった.t3は5生率16.2%,t2は5生率44.5%であった.葉間p3の生存率はt2,t3の生存率と有意差なく,t2の生存率はt3より有意に良かった.生存率曲線をみると,葉間p3の生存率曲線は1年半まではt3に近く,6年以降ではt2に近かった.n0例の検討でも同様であった.浸潤された隣接葉に対する術式別生存率では,隣接葉まで含めての肺全摘ないし二葉切除の5生率は37.5%であった.隣接葉の部分切除は5年生存がなかったが4生率は40%で,両者に差はなかった.結論.葉間p3の手術成績は1~2年以内の術後早期ではt3に近く,6年以降の長期ではt2に近かった.
索引用語:肺癌, 葉間P(p)3

受付日:2002年4月3日
受理日:2002年8月9日

肺癌 42 (6):583─587,2002

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