タイトル
第42巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

胃癌の孤立性肺転移巣を切除した4症例の検討

田村 光信1, 廣島 健三2, 杉田 和彦3, 小林 哲3, 三好 新一郎3
1現 国立療養所近畿中央病院外科, 2千葉大学大学院医学研究院基礎病理学, 3獨協医科大学胸部外科

背景.胃癌術後の肺転移は癌性リンパ管症や癌性胸膜炎で発症することが多く,手術適応にならない.症例.胃癌術後の孤立性肺腫瘤に対して肺切除し胃癌肺転移と診断された4症例を臨床病理学的に検討した.2例は術前に原発性肺癌と診断された.平均年齢は63歳で全例男性であった.全例胃全摘術が施行された.胃癌の肉眼型はIII型が4例中3例,組織型は中分化型管状腺癌が4例中3例,胃癌の間質量は髄様型が4例中3例,浸潤増殖様式はINFβが4例中3例で,全例リンパ管侵襲を認めた.肺転移巣切除後の平均観察期間は13.8ヶ月で全例再発死亡した.結論.胃癌の手術歴がある症例で孤立性肺腫瘤が発見された場合,術前に原発性肺癌が否定し得ない場合にのみ切除を考慮すべきである.
索引用語:胃癌, 肺転移, 転移性肺腫瘍, 再発, 外科切除

受付日:2002年5月16日
受理日:2002年8月2日

肺癌 42 (6):611─613,2002

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