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第42巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第28回画像診断セミナー ─

<画像診断セミナー> 孤立性肺結節―CTでの良悪性診断と気管支鏡下組織診との関係,および良悪性診断におけるartificial neural networksの有用性

渡辺 秀幸1, 青木 隆敏1, 松木 裕一1, 中田 肇1
1産業医科大学放射線科

目的.CTによる肺結節の良悪性に寄与する所見の分析,気管支鏡下肺生検の陽性率に寄与するCT所見,およびANNのHRCTにおける肺結節良悪性の鑑別診断に対する有用性.方法.肺結節の良悪性の鑑別および気管支鏡下肺生検の陽性率については長径3 cm以下の孤立性肺結節66症例を対象とし,そのCT所見を検討した.ANNを用いた良悪性鑑別については3 cm以下の孤立性肺結節155症例を使用してANNの構築を行い,読影実験を行った.結果.原発性肺癌で多い所見として結節内air bronchogram/bronchiologram像,辺縁の全周性不整,末梢肺静脈の結節内進入像が挙げられ,良性結節に多い所見として,結節辺縁の直線化もしくは結節中心部方向への凹面要素,散布巣の存在が挙げられた.気管支鏡下肺生検の陽性率については,中枢部結節およびpositive bronchus sign陽性例で生検診断可能な症例が多かった.またANNについてはこれを用いることで,経験年齢に関わらずその正診率が高まることが確認された.
索引用語:孤立性肺結節, CT, 肺癌, 気管支鏡下肺生検

肺癌 42 (7):702─709,2002

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