第42巻第7号目次 | Japanese/English |
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─ 第17回日本肺癌学会肺癌ワークショップ ─
<EBMに基づく肺癌診療のPros and Cons> 6.小細胞癌のCR例に予防的脳照射は行うべきであるか
Con:石倉 聡11国立がんセンター東病院放射線部
小細胞肺癌は限局期(LD-SCLC)であればシスプラチンを含む化学療法と放射線治療の組み合わせで20~25%の5年生存率が期待できる.近年の治療成績の向上および局所制御の改善により脳転移が再発形式の多くを占めるようになり,予防的脳照射(PCI)の適応が検討されてきた.PCIが臨床的に有用である条件は,再発形式として脳転移のみが問題となっていること,PCIが微視的転移の制御に有効であること,PCIによる毒性が軽微であること,PCIにより生存率が向上することである.1999年に報告されたメタアナリシスによりCRが得られた症例においてはPCIを追加することが標準的治療とされたが,CR判定に用いるモダリティ,PCIの至適線量および施行時期,遅発性神経毒性の評価など未解決の点も残されている.ここでは上記PCIが成り立つための条件を吟味し,未解決の課題および今後の方向性について述べる.
索引用語:小細胞肺癌, 予防的脳照射, 完全奏効
肺癌 42 (7):812─814,2002