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第42巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第18回肺癌集検セミナー ─

<セミナーI:九州における肺癌検診の現況> 佐賀県総合保健協会における肺がん検診の現状と読影技術に関する精度管理の試み

藤澤 伸光1, 林 真一郎1, 太田 善郎3, 工藤 しょう2
佐賀医科大学 1内科呼吸器, 2放射線科, 3財団法人佐賀県総合保健協会

目的.佐賀県総合保健協会における肺がん検診の読影は,読影班1班2名,これら2班による二重読影方式を採用し,さらに各班が独立して比較読影を行い,最終判定までを行っている.精度管理指標は全国値に比し,陽性反応的中度,精検受診率ともに上回り,要精検率は低く,がん発見率は同等かそれ以上であり,精度管理は比較的適切に行われているものと考えられた.今回,読影技術における精度管理の更なる向上を目的として,1999年度より読影委員全員の参加による肺がん検診症例検討会を開催した.方法.症例検討会において,読影委員に種々の情報を還元し,共有することによって,読影技術の標準化を図った.結果.これにより,がん発見率は全国値を上回り,要精検率も上昇傾向となった.陽性反応的中度はやや低下傾向となったが全国平均を大きく上回っており,精検受診率の上昇傾向も含めて更にバランスがとれてきたものと考えられる.結論.新しい方式による肺がん症例検討会は,読影技術の精度管理に有用であることが示唆された.
索引用語:肺がん検診, 精度管理, 症例検討会

肺癌 42 (7):817─822,2002

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