タイトル
第42巻第7号目次 Japanese/English

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─ 第18回肺癌集検セミナー ─

<セミナーI:九州における肺癌検診の現況> 九州における肺癌検診の現況―集検喀痰細胞診検査18年間の歩み―

井手 律子1, 西村 祐司1, 古賀 純子1, 森内 真由美1, 岡 智子1, 栗田 幸男2
1福岡結核予防センター臨床検査課, 2国立小倉病院呼吸器科

目的.昭和59年度より開始した集検喀痰細胞診検査18年間の実績の検討を基に現在の問題点を明らかにし,今後の課題を考察する.方法.18年間の受診対象者の分析(性別,年齢,喫煙指数,ハイリスクグループの割合)と成績・追跡調査結果の検討.結果.18年間の受診者総数は,延べ30,019名で,発見された癌は,15件,癌発見率は,10万対50であった.対象者の内訳は,性別では,「男性」,年齢では,「50歳以上」が多かったが,喫煙指数B. I. では,「600未満」が過半数を占め,ハイリスクグループ以外の受診者も少なくなかったことが示唆された.成績は,判定A 348件(1.16%),判定B 29,390件(97.91%),判定C 253件(0.84%),判定D 25件(0.08%),判定E 3件(0.01%)であった.結論.今後の課題は,(1)喀痰細胞診検査の対象をハイリスクグループに絞ること,(2)見落としのない,スクリーニングに適した標本作製技術の習得,(3)早期肺門部肺癌の細胞像に習熟すること,(4)精度管理にフィードバックできるフォローアップ体制づくり,(5)福岡県全体をカバーする精度管理体制の構築と思われる.
索引用語:肺癌検診, 集検喀痰細胞診検査, ハイリスクグループ, 追跡調査

肺癌 42 (7):835─845,2002

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