タイトル
第43巻第3号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺腫瘍に対するラジオ波凝固療法後の再発におけるCT評価―非再発例と再発例の比較―

大山 嘉将1, 松岡 利幸1, 豊島 正実2, 大隈 智尚1, 山本 晃1, 堺 幸正1, 羽室 雅夫1, 西田 典史1, 中村 健治1, 井上 佑一1
1大阪市立大学大学院医学研究科放射線医学教室, 2神戸市立西市民病院放射線科

目的.ラジオ波凝固療法(RFA)の治療効果と再発の評価を目的としてCTにおける形状変化及び造影剤を用いたCT値の測定を行い,有用性を検討した.対象.2000年6月から2002年9月までに当院にてCTガイド下RFAを施行し,3ヶ月以上追跡可能であった10症例21結節.8例14結節では,RFA前後の造影効果についても検討した.結果.(1)形状変化(n=21):術後3日にて1日目と比較して面積比95.7%と僅かに縮小し,7日目で79.7%,1ヶ月で57.7%と縮小傾向を示した.3ヶ月以降では非再発結節(n=16)は経時的に縮小した.(2)造影効果(n=14):再発結節(n=3)では造影前後CT値差は平均で39.17 H.U.上昇したが,非再発結節(n=11)では平均で0.72 H.U.と造影効果を有しなかった.再発結節中2結節はサイズ増大のない時点から造影効果を有した.結論.非再発結節は全例経時的に縮小し,再発結節と比較しても明らかな造影効果を有することはなかった.再発結節において増大傾向のない時期から造影効果を有するものがあり,サイズの増大がなくとも造影することが局所再発の早期発見に繋がると考える.
索引用語:ラジオ波, 肺腫瘍, CT

受付日:2002年12月5日
受理日:2003年3月5日

肺癌 43 (3):247─252,2003

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