タイトル
第43巻第4号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 症例 ─

喀痰細胞診陽性から発見された肺末梢発生小型扁平上皮癌の1例

原田 敏之1,2, 大泉 聡史1, 山崎 浩一1, 小倉 滋明1,3, 秋田 弘俊4, 西村 正治1
1北海道大学医学部第一内科, 2岩見沢市立総合病院内科, 3市立札幌病院呼吸器科, 4北海道大学大学院腫瘍内科学分野

背景.喀痰細胞診陽性から発見された肺末梢発生の小型扁平上皮癌の1例を報告する.症例.77歳男性.肺癌検診の喀痰細胞診で陽性と判定され精査を施行するも異常を認めなかった.2年後,胸部X線写真,胸部CTにて右S3に径12 mmの小型腫瘤影を認めた.気管支鏡検査にて可視範囲に異常所見を認めず,全支擦過細胞診を施行するも悪性所見は認めなかった.右S3の腫瘤は6次分岐以降の末梢に存在するものと判断し,CTガイド下経皮生検を施行し,扁平上皮癌と診断され,60 Gy/8回の定位放射線療法を施行した.治療後約4年経過したが,癌の再発は認めず,喀痰細胞診も陰性を持続している.結論.肺末梢発生の小型扁平上皮癌が喀痰細胞診陽性の原因と考えられた.
索引用語:喀痰細胞診, 潜在癌, 肺扁平上皮癌, 末梢

受付日:2003年2月10日
受理日:2003年4月14日

肺癌 43 (4):315─318,2003

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