タイトル
第43巻第6号目次 Japanese/English

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Article in Japanese

─ 原著 ─

肺癌切除予定症例の胸膜播種を術前検査から予測することは可能か

塩野 知志1, 永井 完治1, 西村 光世1, 吉田 純司1, 高持 一矢1, 船井 和仁1, 萩原 優1, 似鳥 純一1, 石井 源一郎2, 西脇 裕1
1国立がんセンター東病院呼吸器科, 2国立がんセンター研究所支所 病理部

目的.画像診断を含めた諸検査から,術前の胸膜播種の予測因子を分析した.方法.過去10年間に当院で手術を行われた原発性肺癌のうち胸部CTおよび検査データの評価可能な1469例を対象とした.これらのうち胸膜播種と診断されたのは48例(3%)であった.1469例の患者背景,術前CEA値,手術所見,病理組織所見等について検討した.結果.胸膜播種例は女性(P=0.009),腺癌(P=0.004),cN1,2(P<0.001),CEA 10 ng/ml以上(P=0.016)の症例に有意に多く認められた.また,胸膜播種例は全例,術前のCT所見,術中所見では腫瘍はP1-3であった.結論.胸膜播種例は全例P1-3で,画像上胸膜から離れた肺癌では胸膜播種を認めた症例はなかった.
索引用語:肺癌, 胸膜播種, 癌性胸膜炎, 胸腔鏡

受付日:2003年4月14日
受理日:2003年6月16日

肺癌 43 (6):687─690,2003

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