タイトル
第43巻第6号目次 Japanese/English

download PDFFull Text of PDF (100K)
Article in Japanese

─ 症例 ─

縦隔に発生した髄外性形質細胞腫の1切除例

金光 真治1, 高尾 仁二1, 日置 巌雄1, 矢田 公1, 安井 浩樹2
1三重大学胸部外科, 2松阪市民病院内科

背景.髄外性形質細胞腫は形質細胞由来の比較的希な腫瘍性疾患であり,好発部位は口腔および上気道に集中しており,縦隔に発生するものは極めて希なものである.今回我々は縦隔に発生した髄外性形質細胞腫の1切除例を経験したので報告する.症例.65歳,男性.健診にて胸部レントゲンの異常陰影を指摘され,胸部CTにて腫大した縦隔リンパ節を認めた.気管支鏡下の生検では確定診断がつかず,腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は40×45 mm大で奇静脈を圧排していた.病理組織では形質細胞のびまん性増生を認め,免疫染色でIgG,kappa型の単クローン性を示し,Cyclin D1が陽性であり,髄外性形質細胞腫と診断した.結論.縦隔に発生した髄外性形質細胞腫は文献的にみても数少なく極めて希な症例であると考えられた.切除術後9ヶ月の現在,再発及び多発性骨髄腫への転化は認めていない.
索引用語:髄外性形質細胞腫, 縦隔

受付日:2003年4月14日
受理日:2003年6月27日

肺癌 43 (6):721─724,2003

ページの先頭へ